ドローイング_ラッコ

お前たちや私たちが資本主義の世界にいる以上、ホタテを取った豊かさに甘んじていたら結局ワカメを輸出する猫に競争で負け、恐らくこの豊かな森もその資本に買い叩かれる、そうなれば、ホタテも私たちのものではなくなってしまう

なんじゃそりゃ、水圧であたまが割れそうだ、

だから、なんらかの利潤を生み出す枠組を編み出さなくてはならないレースに我々は既に乗っかってしまっているし、今更豊かな森と共存しようなんていうのは、その巨大な流れの中では懐古主義のクラシックカーに乗るような小さい自己主張でしかないのだ

?  なんか適当にそれっぽいことを言っているだけだな?水中眼鏡をかけた猫がまん丸い黒い瞳でこちらをじっと見つめる

だからなんらかのカテゴリーごとに縄張り争いをして、その勝敗でそれらの種の存続が決定される。そんなカテゴリー分けなんぞ簡単なものだ、ラッコと猫  そのくらいのことだ、どちらかが淘汰されれば、その中での細分化が自動的になされ、またレースに組み込まれる、例えば次は白猫と黒猫のレースになるとかな、お前たちも私たちもカテゴリーを分けるのが大好きだろう?世界を繋ぐ夢のインターネットを見直してみたらいい、お互いに帰属する集団に向けて罵り合う言説しか見当たらないじゃないか?

ケルプに巻きつきながらそろばんを弾くラッコは気泡を吐いて私を横目で見つめる

それでも理想的な平等を求め戦うのか、現実を直視してそのレースに参加して戦うのか、その先に落とし穴があいているとしても

パチパチパチ

利潤に目の色が変わっているくらいの方が幸せなのかもしれないな、現実は達観してやるしかないと枠組みに追われている、違うか?